Komonsにとって初の試み、リードディフューザーの開発秘話。

Komonsにとって初の試み、リードディフューザーの開発秘話。

先月の発売以来、みなさまにご好評いただいているKomonsのリードディフューザー。本格的に開発を始めてから2年以上、構想やトライアル試作を含めると実に6年以上の年月を経てようやく完成した商品です。

もともとは、Komonsの商品を愛用してくださっているお客さまや、小売店のバイヤーの方々から「ぜひ天然香料100%で、Komonsらしい香りのリードディフューザーを発売してほしい」とご意見をいただいたことがきっかけで作り始めた本商品。しかし、私たち自身が満足できる製品がなかなか出来上がらず、何度か開発を諦めかけたことも…。

そんな中、無事に完成に辿り着くことができた舞台裏には、3つの大きな出来事がありました。

1.香料の開発から調達、製造までをすべて行う自社ラボの誕生

昨年5月に立ち上げた「Komons Fragrance Lab.」。香りづくりの多くのプロセスを自社で行うことで、今までより1歩も2歩も踏み込んだ香料開発が可能になりました。

リードディフューザーは、とにかく大量の香料を配合する製品です。

Komonsが扱う天然香料の中には1kgで数百万円するものもあるため、それらの香料を贅沢に使うとコストがかさんでしまうという問題が…。しかし、ラボの誕生を機に自分たちで香料を調達するようになったことで、これまでに比べて安価に香料を使えるようになりました。

それでも量販店に並ぶ他社の商品に比べると高価になってしまうのですが、どうにか今回の価格帯を実現し、発売に至りました。

2. 南フランスの某香料原料メーカーとの契約

トップメゾンの香水原料を手がける、南フランスの原料メーカーと直接契約をすることができました。初めに連絡した際はすぐにお断りされてしまったものの、粘り強い交渉の末に、念願のお取引が実現。

この原料メーカーは、なんといってもフローラル系精油の質がずば抜けています。中でもスペシャリテはYlang Ylang(イランイラン)。

実は、私はもともと市販のイランイラン精油の香りが少し苦手でした。しかし、このイランイランはまったく別物。特に、丸2日間蒸留するうちの“最初の15分だけ”の精油であるExtra Sグレードは、これまでに体験したことがないほど高貴で、香りの強度にも優れています。

この特別なイランイランを配合することで、空間にしっかり香りを広げつつ、思わず深呼吸したくなるような心地よい香りに仕上げることができました。

3. 苔(オークモス)の精油をブレンド

今回のリードディフューザーは、Komons製品としては初めて苔(オークモス)の精油を使用しています。

オーク(樫)の木に生える地衣類(木の幹や岩にかぶさるように生える苔のような植物)から、水蒸気蒸留で抽出される特別な精油です。

粘度が高く、低温ではほとんど固形になってしまうため扱いづらいのですが、ほどよくスモーキーで、ムスクのような独特の香りを醸し出します。また、香りの持続性がとても高く、このオークモスを取り入れたおかげで空間にしっかり残る香りを実現することができました。

このように、さまざまな試行錯誤を経て誕生したリードディフューザー。より多くの方々にこの香りを体験していただけるよう、これから小売店での取り扱いを増やしていけたらと考えています。ぜひご期待ください!

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