天然精油にこだわるKomonsが、日本各地に眠る香りを訪ね旅をする「Komons香りの旅」。
今回は、創業150年の酒蔵で見つけた日本酒の香りについて。
明治時代から続く「武の井酒造」。
今回、山梨県北斗市にある創業150年を超える武の井酒造さんを訪れました。
ここは、日本酒と焼酎の双方の免許を持つ日本国内では珍しい酒造。この二つの免許があることにより、日本酒を製造する過程で生まれる酒粕をさらに蒸留し、焼酎まで製造することができるのです。
戦前から使われている蒸留器。
この酒蔵では戦前から使用されている蒸留器が今もなお現役で稼働しており、その歴史を感じることができます。
最新式の減圧蒸留器ももちろん活躍していますが、昔から使っているこの蒸留器にしか出せない味もあるのだとか。
ジブリに出てきそうな、長い歴史を感じる蒸留器。
酒粕蒸留の過程で生まれる香り。
日本酒を絞ると生まれる酒粕。その酒粕をせいろに並べ、蒸気を当てて蒸留することで焼酎の原酒の一部になるものを抽出します。
その時、その酒液の上澄みに油分が浮かぶのですが、このオイルこそが日本酒の香りをかもしだしている源泉なのです。
これまで150年続けてきたこの酒粕の蒸留。表面に浮く油は取り除かれ、捨てられていました。
でも、このオイルをくみとって香りを嗅いでみたところ、非常にフルーティーで魅力的な香りが!
日本酒を醸す過程で育まれる芳醇な香りを感じることができ、これを取り入れたらどんな香りが作れるだろう、、と想像が膨らみました。(写真では表面のオイルは時間が経っているので酸化して黒くなっていますが、蒸留したばかりのころはもちろんピュアで透明なオイルとのこと)
更なる日本の香りを求めて。
今回、武の井酒造さんのご厚意でオイルを少し分けていただくことができました。この貴重なオイルを活用し私たちの香りの自社ラボで香りづくりにチャレンジしてみたいと思います。
もし良い香りが出来れば、今冬の寒仕込みの頃にまた武の井酒造さんに伺いたいと思います。
うまくいけば来年には日本酒の香りを使った商品が発売できるかも!?
様々なご縁が重なり偶然訪れた酒造でしたが、そもそも日本酒から香りがとれるという発見と、まだまだ日本には見出されてない香りが沢山あることを改めて感じることが出来ました。
これからも日本全国いろんな場所を訪ねて、香りの発見をしていきたいと思います。